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理論派サッカーマンガ!

『アオアシ』

 プロサッカー選手になる方法をご存じですか?

 ざっくりと2パターンあって、ひとつは、高校や大学で部活に入り、地方や県・全国の大会に出場してプロチーム関係者の目の留まり、プロ契約を勝ち取る方法。

 もうひとつは各プロチームが所有する育成組織「ユース」で成長し、トップチーム(プロ)に昇格する方法です。

 アオアシは後者の「ユース」で主人公が仲間と共に成長していく漫画なのです。ユースに注目したサッカーマンガは珍しく、他にはないストーリーが魅力です。

 さて、アオアシという漫画を一言で表すなら「サッカーの言語化」です。どういうことでしょうか。意味不明ですね。筆者にもわかりません。主人公の葦人もわかっていません。

 主人公の青井葦人(表紙になってるアフロ少年)は中学3年生でサッカー部に入っています。彼はアホです。言動から明らかです。しかしサッカーの腕前(足前?)はかなりのもの。

 彼のポジションはFW(フォワード=前線に位置し攻撃する)なのですが、そこでチームの絶対的なエースとして君臨しています。もじゃもじゃアフロな彼は、いわゆるアタッカーであり、ストライカーなのです。

 そんな葦人のとある試合を偶然見ていたイケオジ監督↓

は彼に才能を見出します。

『俺には野望がある。俺の作り上げたクラブで世界を掌中に収める。世界への踏み台じゃない、我がクラブこそが世界だと。バルサもマドリーもマンチェスターもミランも…叩き潰す。その野望の全てを担うもの…それが「ユース」だ。』

『入団試験「セレクション」を受けにこい』

アオアシ 1 (ビッグコミックス) コミック – 2015/4/30  小林 有吾 (著), 上野 直彦 (その他)

 そう、彼は「ユース」の監督だったのです。併せて、実は彼の名前はイケオジではなく福田です。

 入団試験をクリアし、晴れて「ユース」の一員になった葦人。しかし、彼はそこで自分がサッカーのサの字も知らないことを思い知らされます。

『なんで俺にパスを出すんだよ!?』『パスからメッセージが伝わらないの?』『絞れっつってんだろ!』等とユースメイトから散々な言われよう。

 肝要なのは、葦人も、読者も「何を言われているのか理解できない」ことです。主人公と読者が同じ目線になるのです。だから読者は葦人と一緒に考えなければなりません。スポーツ漫画でありながら少しミステリーの風味です。

 そして思考の末に葦人が出した結論と、物語の展開がパズルのように噛み合う瞬間が非常に面白い。楽しい。選手はこのようなことを考えながらプレーしているのかと感心させられもしますし、葦人と共にサッカーに詳しくなっていくのが新鮮で興味深い体験です。

 このように知的欲求とエンターテイメントの見事な融合が、この漫画最大の魅力に違いありません。

『サッカー?代表戦は見てる』『ワールド杯の時だけ』というあなたはハマること間違いなし!多分。

 逆に全く興味なくてもアオアシを読めば現実のサッカーまで好きなってしまうこと請け合いです!恐らく。序盤の三巻ほどはサッカー理論などは控えめで、純粋にドラマとして面白いので是非とも読んでいただきたいですね。

 最後に、ヒロインを紹介せねばならないでしょう。(?)   ↓こちらです。

 右の金髪の子が一条花。だぞだぞ口調です。可愛い、あまりにも。「戦術? 前半耐えて後半から攻めるみたいな感じだろ?」という感じの知識レベルで、葦人や読者に近い視点のキャラクターですね。

 左の黒髪の子が海堂杏里。淑やかさと芯の強さを持つお嬢様です。可愛い、あまりにも。サッカーに造詣が深く、葦人を気に入り、アドバイスしてくれます。その様子を花が見て、「自分はサッカーがわからない」と妬くようなシーンがあったり、非常に…いいですね。

 最後に(二回目)、読者の皆様を勝手にサッカーをあまり知らない人と決めつけた事に対する謝罪の意と、アオアシがとても面白くておすすめな漫画であるとの所感を改めて表明し、結ばせてもらおうと思います。では。

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